無料ブログはココログ
2016年9月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

« 2012年10月 | トップページ | 2013年1月 »

2012年11月

2012年11月 8日 (木)

貴志祐介さんの「悪の教典(下)」の感想(*´-`*)ノ

こんにちは!

貴志祐介さんの「悪の教典(下)」の感想です(*´-`*)ノ

俺には感情がないらしいんだ。高校を襲う,血塗られた恐怖の一夜。極限状態での生への渇望が魂を貪りつくしていく。風雲急をつげる超弩級のエンタテインメント。

真相に手が届きつつあった生徒をハスミンが殺害していきます。一人一人だったものがついには大量殺人になっていきます。
木の葉を隠すなら森の中,死体を隠すなら死体の山を築けばいいという理屈の元,二人殺しても死刑なら,全部殺して隠蔽を隠そうと企みます。

ハスミンは教師という職業を前面に立てたキャラとなっていますね。殺人時も性行為時も英語教師という振る舞いをしています。様々な事柄を教育論に引っ掛けて描いていますね。本気半分冗談半分気分ではあるのですが。それが一層殺人を怖くしている要素になっています。

屋上から突き落とされていた安原美彌を生かしておいた作者の意図はなんなのでしょうか。ハスミンが無意識下ではちゃんと良心があり,その良心があったおかげで美彌を殺さずにすんだのかと考えたのは,落とす前の意図ですよね。
唯一の救いとして生きていたのでしょうか。それでもまだハスミンに心酔している美彌を見ていると,ハスミンの心に残る恐怖を見た感じがしました。【人心掌握術】【洞察力】【コミュニケーション能力】【問題解決能力】【行動力】【異性を惹き付ける魅力】なども使い方によってはこのようにもできてしまうという一面を見ました。

ハスミンは結局あっさり捕まってしまいますが,あれだけ優秀なハスミンがAEDの録音によって捕まってしまうのはあっけないですね。もうちょっとひねったアイディアのほうがよかったです。

生き残ったのは伶花と雄一郎ですが,さすがに思考能力も残っていなかったのか,避難用袋で,死体を流すというトリックで助かりました。モンティ・ホール問題を応用したというのは面白いですね。
ハスミンは生徒達が悪魔,神の声が聞こえるなど,精神疾患者を装いはじめ,新しいゲームを始めています。それによって,最後に怜花は,いつか社会に戻ってくかもしれないハスミンにはやくも恐怖感を抱いています。

ここまで一作の中で一人の人間が大人数の人間を殺す話も少ないのではないでしょうか。生徒の逆襲を心の中で応援しつつも,ハスミンがどのように殺していくのかを考えながら読み進め,予想を裏切らないように見せかけつつ,いかに裏切っていくのかというところをとても楽しく描けている作品でした。

それでは!

2012年11月 5日 (月)

貴志祐介さんの「悪の教典(上)」の感想(*´-`*)ノ

こんにちは!

貴志祐介さんの「悪の教典(上)」の感想です。
うちの学校には,怪物がいる。学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。
ピカレスクロマンというのは犯罪を犯す側の人物が読者の共感を許す作品です。義賊やおしゃれな怪盗,残虐な犯罪者を冷徹に描いたような小説はピカレスクロマンとは呼ばないようです。「ピカロ:グスマン・デ・アルファラーチェの生涯」というピカロ(picaro)を主人公とする小説の様式から来ています。

「マック・ザ・ナイフ」というオペラの曲の,あの軽快な曲の口笛とともに,人を殺し続けるお話です。

生徒からは「ハスミン」とニックネームで呼ばれ,女子生徒の憧れ,問題が起きると先生達からも相談を受けるほど信頼を得ている英語教師。彼のさわやかな風貌にかすかに違和感を感じる人もいるけれど,それを感じ取られたらアウト。

スピーディーに進みます!主人公は残虐で狡猾ですが,そのあたりの描写は軽めにされていました。彼には“感情”というものが著しく欠如(正確には他人の感情に共感する気持ちがない)しているので,殺人という行為自体にはなんら躊躇や葛藤というものはありません。
彼も目線で描かれており,彼の感覚ではそれが当たり前として描かれているところがとても怖く感じました。

彼の過去や背景,舞台学校関係者たちの抱えているもの,そういったものが物語が進むにつれ,どれもこれもダークなものなのですが,明らかになっていくのもおもしろいです!

主人公の狡猾ぶりも目を見張るものがあり,テンポが良く読みやすい作品です。

それでは!

2012年11月 2日 (金)

小説・百田尚樹さん「モンスター」あらすじ感想レビュー

こんにちは!

百田尚樹さんの「モンスター」の感想です!

田舎町で瀟洒なレストランを経営し,町中の男を虜にする絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ呼ばわりされ友達もできない悲惨な日々。思い悩んだ末,ある事件を起こしてしまう。追われるように移り住んだ「美女の街」東京。そこで整形手術に目覚めた未帆は,手術を繰り返して完璧な美人に変身を遂げる。そのとき甦ってきたのは,かつて自分を虐げた町に住むひとりの男に対する,狂おしいまでの情念だった。
あらすじはこのような感じです。

整形にいたるまでの女性の心理が描かれていてとても面白かったです。整形して美しくなるための目標,一人の男性に対する思慕が深く,たぶんこのような考え方で整形をしている人はいないのではと感じました。
なんのために美を追求するのか,それがこのラストの切なさに繋がっていました。

この本では,美しい外見を持った女性がどれほど困難なく欲しいものが簡単に手に入るのかということを痛感させられました。美しく生まれるか否かは女性にとって人生を左右する大きな問題なのだと思いました。

号泣とまではいきませんでしたが,ジーンと感動しました。主人公の和子が激しく燃えるように生きていて,心に響きました。

それでは!

« 2012年10月 | トップページ | 2013年1月 »